ER11-12 "The Providers"
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アビーとニーラ、それぞれ「最後にしたのはいつ誰と」を打ち明けあい。「私たち二人とも長い間ごぶさたなのねー。それを忘れられる仕事があるのはいいけど」
16歳の少女が運ばれてくる。父親に運転を習っていて操作を誤り車をぶつけてケガをし、一緒の父親も軽いケガ。カーターたちが治療する過程で、この子は重い腎臓病で一年前に父親の腎臓を移植していることがわかる(運転を誤った原因も、病気からめまいなどが起きたため)。検査の数値は高カリウムでその腎臓の機能が低下していることを示す。事故を知らされた母親も駆けつける。父親とは別居中。二人はそれぞれ娘のことを愛しているのだが、病気の治療方針を巡って対立したりしたことが結婚生活にヒビが入った原因らしい。特に、高価で保険も利かない、病気が原因の発作を抑える新薬を使うかどうか。母親は反対したけれど、父親は娘の生活のクオリティのためならと家を売り、本職の他に夜間の警備員の仕事に就いてその費用を捻出し、3ヶ月前から使わせている。
カーターは少女が使っている新薬のことをよく知らなかったので、ニーラにネットなどで情報を集めるように指示。彼女がたちどころに収集してきた様々な情報には、薬が腎臓に悪影響を及ぼす例がいくつも報告されていた。
そのうち少女の容態が急変。なんとか持ち直したところへ、主治医の神経科医が(他の病院から)やってくる。医学生時代にカーターが指導したことのあるジョージ・ヘンリー(チャド・ロウ)だった。二人は数年ぶりの再会。新薬への疑念を深めているカーターはヘンリーに腎臓への影響の可能性を知っていたか問いただすが、ヘンリーは否定。また、研究方面へ進んだはずの彼に現在のことを尋ねると「研究には疲れた。今は結婚し子供が二人できて、優先順位も変わった。研究より現場の方がサラリーはいいしね」との答え。そっちは結婚や子供は?と尋ねられ、複雑な表情でひとこと「まだ」と答えるカーター。二人が話しているところへ父親が来て、「もし移植が必要なら自分のもうひとつの腎臓を娘に」と言う。カーターはそれは倫理的ではないし、承諾してくれるドクターはいないだろうと答える。
怒っているウィーバーがカーターのところへ。彼がネットの掲示板に新薬への警告を書き込んだことに問い合わせが殺到しているという。病院に大口の寄付をしてくれている製薬会社の機嫌を損ねたらどうなるか、と怒鳴りまくり。
詳しい検査(生検)の結果、少女の腎臓の状態は再び移植が必要なほど悪いことが判明。新薬が原因としか考えられない。せっかく移植した腎臓が全てをつぎ込んだ薬でダメになってしまったことにショックを受ける両親。二人とも泣いてしまう。薬を薦めたヘンリーを責め、そして、仕事だ・・と出て行ってしまう父親。ヘンリーは返す言葉がない。
ヘンリーはカーターに薬に危険性が少しはあるのはを知っていた、と告げる。でも信頼性のある情報でもなかったし、と言い訳。それから他にも20人に同じ薬を使い、その経過を製薬会社に毎月報告して「少々」報酬をもらっていることも明らかに。お金のためかとなじるカーターと救急搬送口の外で口論になるが、それをレイが止めに入る。そばで少女の父親が聞いていたのだ。非常に動揺している状態の父親は警備員の制服姿で銃を持っている。銃口をヘンリーたちに向けもするが、最後は「自分の残りの腎臓を娘に」と言い残し、銃を口にくわえて自殺してしまう。
病院の敷地内で自殺者という事態にマスコミが詰め掛けてくる。スーザンはカーターに彼らと話すよう命令。ただし詳細は言っちゃダメと釘をさす。カーターはしぶしぶインタビューに応じるが、マスコミはネット上での彼の行動や少女の詳細も既に知っていて問い詰めてくる。結局良心に逆らえないカーターは薬と副作用について話してしまい、スーザンをどっと疲れさせる。ルカは君は正しいと励ます。
状況に問題があるので少しもめるが、父親の願いどおり腎臓は娘に与えられることになる。
カーターとヘンリーは「今度はもっと友好的な状況で会いたいね」と別れる。ヘンリーは別れ際「僕が学生の時よくしてもらったことは忘れませんよ」と言う。
ルカはニーラから少し距離を置こうとするが、スーザンが彼女をルカの下につけたりでなかなかうまくは行かない。指導しなければならない状況下ではあいかわらず優秀な教師。しかし、二人とも意識し合って気まずい雰囲気が続く。結局ルカが「自分が君に間違った印象を与えてなきゃいいけど」と切り出し、ニーラもあせって「わかってます、わかってます」。
状況に不満なサムは仕事中もニーラに冷たく当たる。が、最後にはニーラが「親切にしてもらっていて、つい・・」と認めて和解。
アビーは学生ジェイクの指導を割り振られる。この二人の担当はなぜかセックスがらみの患者が続く(例;車中でコトの最中に他車にぶつけられたはずみで、離れられくなったカップル)。スーザンに「一人で仕事させて」と訴えると「わかった、彼が好きなのね!」と指摘され、否定するも「赤くなってるわよ。まだドクターにこりないの?」なんてからかわれたり。勤務後、ジェイクが食事に誘ってくるが、アビーはきっぱり(?)断る。しかし彼は冗談めかした態度ながら「僕たちの間には『何か("a thing")』があると思うけど?」と食い下がる。アビーもそれを認めるものの、「あなたは学生で私は評価をつける立場だから絶対ダメ」と立ち去る。が、まだあきらめないジェイクは「じゃあ、医学部をやめるとしたら? 医者になんてならないよ!」とあくまで明るく彼女の後ろ姿にむかって声をかけ続ける。まんざらでもなくて、去りながらもアビーの表情はゆるんでいる。
プラットは欠席。