ER11-14 "Just As I Am"
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トラウマにいるところへ「先生をご指名の患者がいる」と呼ばれる。60代ぐらいの女性で息切れなどを訴えていたというが、「あなたがウィーバー先生ね」と確認でもするようだったりと不自然な態度。ヘレエにこの患者の以前のカルテを調べるよう指示。するとしばらくして、名前が偽名と判明し確認しようとすると出て行ってしまったと報告が入る。ウィーバー自身が追いかけ、救急車口で追いついた。女性は具合が悪いというのはウソ、そして自分の本当の名前はヘレン・キングスリーであなたの母親よ、と告げる。
休憩と言い訳して母親とコーヒーを飲んでいるケリー。なぜ自分がわかったのか、と聞くと4年前に彼女が出した手紙を見せる。「多分怖かったから会いに来るのにも今日までかかった。シカゴには聖歌隊の一員として来た、明日コンサートがある・・」リハーサルに行かなければ、また連絡するという母に、病院の電話番号を渡すケリー。
職場に戻るも、動揺を隠すため(?)部下に当り散らしてしまうウィーバー。結局我慢できず、再びシフトを抜けて聖歌隊がリハーサルをしている教会へ。それが終わった後、母娘は教会の中や凍った(?)湖沿いを歩いたりしながらいろいろな話をする。
・母には他に二人の子供がいるが離婚している。「信仰が私を助けてくれた」
・娘が杖を使う理由を母は知らない。ケリーは・・(ジャーン、長年の謎が明らかに)・・・「生まれつきの股関節形成不全なの」と教える。自分に障害があるから養子に出されたのかもしれないと思っていたのは違っていたと分かる。
・なぜ今になって娘に会う気になったのか考えていたと言う母。そして思い当たった理由は「あなたの実のお父さんが最近亡くなったと聞いたからじゃないかしら」
・ケリーが生まれたのは両親が15歳の時。自分達で育てたいと思ったりはしたが、その年齢ではどうしようもなく生まれたその場で(?)、顔も見ず、抱いたりもせず養子に出した。
養父母には愛され自分はハッピーだったけれど、それでもいつもどこかに「拒絶された(rejection)」という思いを抱えてきたと話すケリー。
またまたシフトを抜け、夕食の席で更に話す母娘。ケリーが幼い頃両親(養父母)とともにアフリカで過ごしたことや、その後帰国し、親はともに大学在学中に亡くなったことが分かる。写真を見せ合ったりもする。ヘンリー(息子)、サンディと写っている一枚を「息子よ」と見せると、サンディをナニーだと思い込む母。彼女はかなり熱心な保守派のクリスチャンらしく「去年事故があって・・今は私ひとり」と説明するケリーに「大変でしょうけれど・・」と信仰、神について雄弁に語る。そこでは無言のケリー、が、その後決心して自分がゲイであることを打ち明ける。とたんに固まり「一緒に祈りましょう」などと言う母。彼女の信仰では、同性愛は認められるものではないのだ。そして二人は口論に。「これが私なの。選んでそうなったとかじゃない、これが私("This is who I am")」「それは間違ってる。神は私たちをそんなふうにお作りになってはいない」・・・
"Do you hate all faiths?"
(母;全ての信仰を否定するの?)
"No, of course not. I hate that my own faith now excludes me, tries to tell me I am a sinner because of the people I love"
(娘;もちろん違う。自分自身の信仰に、誰を愛するかでそれは罪だと言われたり、ノケモノにされることが耐えられないの) (注・養父母も信心深い人たちでケリー自身もクリスチャンとして育ったらしい)
"It's the people you've chosen to love "
(母; 愛することを ”選んだ”人たちでしょ)
" I have made a choice. To stop living a lie about who I am"
(娘; 私が ”選んだ” のは本当の自分を偽る人生をやめたことよ)
結局、喧嘩別れのようなカタチで母親はホテルに戻ると去る。
夜遅く、ケリーは「このままで別れたくない」とホテルの母を訪ねる。二人とも落ち着いて話はできる、しかし母は自分を救ってくれた信仰を捨てることは出来ないと言い、「ありのままの私を受け入れてくれる?」と問う娘に「どんなあなたでも愛することは出来るわ」と答える。「受け入れてもらえないままの愛ならいらない」とケリー。「会うことが出来てよかった」と母と抱き合い、部屋を後にする。
二人とも自分の立場は譲れず、しかしそれでもお互いを思いやっていることはエピソードを通して明らかで、余計に辛い。
ケリー親子の話以外は、あまり意味のない完全なサブプロット。ERの患者にはプラットが学生ジェーンと担当した「ピック病」(痴呆の症状が出る、アルツハイマーと似ている別の病気)の女性(ジェーンがうまく対応してプラットを感心させる)、アビー、ジェイク、外科デュベンコなどが絡んだアイスピックで刺された外傷患者(上に早く移す、移さないでERvs外科のいつもの対立)、ニーラ、カーター、レイらが担当、一見ヤク中のタイプには見えないが実はデメロール中毒?な中年女性(首の痛みにはそれしか効かないからくれ、と頑なに言い張る)とその夫、など。
アビー&ジェイク(外科ローテーション中)はすっかり出来上がっているようで、ほとんど一緒に住んでいるらしいことをニーラがからかったりしている。二人が薬品保管庫でふざけ合っている(アビーが寝言で「ポルカ踊ろうよ」と言った?!)ところへウィーバーが通りかかって何かを嗅ぎつけたりも(笑)。
ルカ・・シフトを終えて帰る&次のシフトに出勤してくる、登場時間計30秒。