ER12-11 "If Not Now"
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まったく予想外にルカとの赤ちゃんを授かったアビーが、迷いや不安でいっぱいいっぱいになりながら、産むかいなかの決断を下すまで。妊娠に気づいたクリスマスからその2週間後までの彼女とルカとのシーンが、彼女が仕事で担当した患者の事情からのフラッシュバックで何か所かはさみこまれる。
一月。アビーの家のクリスマスツリーを片付けているルカ。アビーはまだ「決断」をしていない。お互いのことをよく知らないじゃないとか、ずっといい友達だったから一緒に子供を育てられるとは限らない・・と訴える彼女に、ルカは「選択するのは君自身だよ。それはわかっている」と言う。
のどのチューブの不具合で搬送されてきた植物状態の青年。2年前の21歳の誕生日に泥酔して交通事故に合ってしまったのだ。いい子に育てたのに、たった一晩羽目を外した結果がこれよ、と嘆く付き添いのお母さん。そこからのフラッシュバックで・・・
・・・クリスマスの日。バスルームで「一応、確認に」と何本もの陽性の妊娠検査キットを見つめているアビー。「自分がどうしたいのかわからない。37歳だし、今でなければいつと思うけど」。ルカは「僕がどうしてほしいかはわかってくれているよね」。でも怖いのよと言う彼女に、ルカは「子供を持つことが?それとも持たないと選択すること?」。アビーはただ "Yeah.." とだけ(注;ここの意味、ちょっとわからない)。・・・
アビーはERに来ていた産科のコバーン先生に、クリニックの予約を取りたいと頼む。コバーン先生はカウンティとは別の場所で自分のクリニックも開業したらしい。予想していなかったことだしと思わず涙ぐんでしまうアビーに、先生は「力になるわよ。どんな選択をするにしてもそれがあなたにとっては正しいことなの」と言ってくれる。
バスのタダ乗りに失敗してケガをした少年を治療するアビー。話から、この子は春からずっと家出中だとわかる。ただ家を出た、親は自分の居場所を知らないよ、からのフラッシュバックで・・・
・・・ルカとアビーがベッドで話している。(子供の)愛し方を間違えるかも、自分には強さが足りないかも、スーパーに行って置いてきちゃったらどうする?・・と、彼女はとにかく自信がないよう。親になると強くなれるんだと励ますルカには「でも、あなたには辛い経験だったんでしょ?」と言ってしまうけれど、すぐに気づいて謝る。自分("I")は何かしくじるんじゃないか怖いというアビーに、ルカは「僕ら("We")は大丈夫だって」・・・
次にアビーが担当したのは、母方から受け継いだ体質(「フィラデルフィア染色体」)が原因で白血病を発病した男性。全然病弱なタイプなんかじゃなかったのに遺伝子にやられちゃったよ、と冗談めかして言う患者からのフラッシュバックで・・・
・・・大みそかの夜。「蛍の光(新しい年を迎える際の定番曲)」をバックにスローなダンスを踊りながら静かに話すルカとアビー。昔妊娠した時は、躁うつ病が遺伝するかもとただただパニック状態だった、それは今も同じかも、というアビーを、ルカはリスクは小さいし、恐れていたら誰も子供なんか持てないよと諭す。あなたはマギーやエリックといっしょだったことがないからわからないのよと反論する彼女に、彼は「また(産まない選択をする)理由を探してる」。アビーはそれに「じゃあ、あなたは何を探してる(求めてる)の? 子供を産んでくれる(だけの)相手?」。 ルカはこの言葉にぴったり寄り添っていた彼女から少し離れる。そして、静かなトーンながら「そんなふうに思っているのか。だとしたら僕らは今この瞬間一体何をやってるんだ(一緒に親密な時間を過ごしていること?)?」と "抗議”。アビーはそれには答えず、じっとルカを見つめて「新年おめでとう」。キスする二人・・・
アビーは仕事からの上がり際、コバーン先生のクリニックへ行くとルカに告げる。コバーン先生の名前にあわてた彼は一緒に行くよと申し出るけれど、アビーは「一人の方がいいと思う」と断る。ルカはそんな彼女を引きとめ、「僕が産んでほしいと言ったのを君は負担に感じてるのかもしれないけれど、それ以外の言い方では嘘になってしまうんだ(意訳)。他には何も言えない・・」。「何も言わなくていいわ」とERを出て行く彼女を立ち尽くして見送るルカ。
クリニックの待合室にいるアビー。周りには同じように一人で来ている女性や元気な子供たち、そして、女性のおなかが大きい幸せそうなカップルなどさまざまな人たちがいる。
アビーが何か考えるような表情で雪がうっすら積もった湖の岸辺をゆっくり歩いている。ベンチに座っているところへルカがやって来る。そして、僕たち二人の間にあるものを ”この決断”だけに集約させたくない、君はすべきことをしたんだし、きっと乗り越えられる、終わりにしたくない・・と彼女に語りかける。アビーはそんな彼に「"それ(it)" はしなかったわ。できなかった。産みたいの。私たち二人にこの赤ちゃんが欲しい(I want us to have this baby)」と告げる。ルカは何も言わず、ただアビーの隣に座って彼女の手を取る。アビーはルカに控えめにそっと寄り添う。
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ER入り口で凍った路面に滑って転倒してしまったというウィーバー。ストレッチャーに乗せられ、ニーラが付き添って入ってくる。大したことはないと言い張るけれど、MRIなどの検査で生まれつきの股関節障害の状態がかなり悪化していることが判明。この程度なら休養とリハビリで大丈夫かもしれないと慰めるルカに、「人工股関節の手術は避けられない状態ね」と自身の状態を客観的に分析。覚悟を決めたよう。
口げんかばかりしているようで、実はすっかりヨリを戻してしまっているクレメンテと彼を追っかけてやってきた(元)彼女・(ケバケバ)ジョディ。が、ERのクレメンテのところへ刑事がやって来る。警察官であるジョディの夫が彼女の捜索願いを出したのだ。刑事には彼女の居場所なんて知らないで通したクレメンテ、内心はあせりまくり。薬品保管庫に駆け込んで何か錠剤を口に放り込んだり、受付けにいた同僚たちに口止めを頼んだりの挙句、屋上に「身を隠し」たり。様子がおかしいと気づいたプラットがそこにやってきてクレメンテにワケを尋ね、クレメンテは自分の「女性問題」(ジョディは元勤務先の看護師で、ヤバい夫持ち・・etc)を教えることに。
ニーラは転んだウィーバーのほか、腹痛で来院の15歳の少女を担当。妊娠がわかりショックを受けている。最初、相手は学校の男の子だと言う。少女の家庭は敬虔なクリスチャンで、望まない妊娠なのは明らかでも、中絶は選択肢にないよう。駆けつけてきた両親も、どのようにして授かった子供であれ中絶は神の意思に背く、と、丁寧ながらまったく聞き耳持たずな態度で、少女の将来へ影響を考えると「産まない選択」がベストではと考えるニーラはフラストレーションを隠せない。このケース、監督役のスタッフドクターはルカ。本人と家族の決断に干渉はできないとニーラをいさめる。その後、少女はパーティーでお酒などで意識を失っている間にレイプされたみたいで・・と涙ながらに打ち明け、それも言ったけど両親の態度は変わらないと、産むしかないとあきらめている。そんな事情ならなおさら「選択肢」が必要と訴えるニーラは、家族の問題に立ち入るなという態度を崩さないルカに思わず「カトリックではないスタッフに担当を変えてください」と言ってしまい、「自分は何よりも医者だ。個人的な信条を患者の利益に優先させたことは一度もない!」と彼を怒らせて担当から外される。しかしルカはその後、少女の「できることなら生みたくない」という意思を確かめ、親には言わずに流産を誘発する可能性の高い処置(子宮頚に挿入する「ラミナリア」)を施す。「これは罪?」と不安げな少女には「神にもう一度考え直していただくための医学的な手段だよ」。
ニーラはまた、ER以外の「選択コース」("elective" )として外科を希望している。刃物で刺された男性患者のコンサルトに呼ばれ下りてきた外科の新しい女性チーフ、オルブライト(写真)の前で先輩のモリスを差し置いて有能さを見せ、オルブライトを感心させる。
自分のバンドに有名なプロデューサーから声がかかり、ロスでレコーディングの話があるから一か月ほど休みがほしい、と(懸命に下手に出つつ)ウィーバーに頼むも一蹴されるレイ。挙句、そんなに行きたいのなら辞職は受理しましたなんて言われてしまい、ボーゼン。そして、その後バンドの他メンバーがやって来て、ドクターの仕事が忙しすぎるみたいだしとグループからのクビを言い渡され、またまたボーゼン。
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ビデオクリップ;
ルカ (ページ下部)
ニーラ
次回 "Split Decisions" の予告編ビデオはこちら(ページ右側)、また、ファイルサイズが少し大きいものへのリンクがこちらにも。
・・・あ! アビーの大きめなブルーのトレーナーは、ルカが9-15冒頭で着てたヤツじゃ?! 無断欠勤に業を煮やしたウィーバーが家に来て呼び鈴を鳴らしたシーン。
キャプチャ集;
アビー&ルカ
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音楽メモ;
"Cold Water " by ダミアン・ライス、(アルバム「O (オー)」)
"Blue Christmas" はエルビス・プレスリーバージョン
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視聴率速報記事;
Variety
Zap2it
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(個人的備忘録)
アビーの「トライアスロン」
"Smoking, Drinking, Watching TV"
Morris;
" Dr. Cruella" "Missy"
「どうした? アシュリー・シンプソンがまた口パクしたとかか?」
Albright;
"Red "
Weaver;
"Elvis"
Ray; 「バリー・ギンスバーグが誰だか知ってるのか?」
Neela; 「4階のガイノコロジスト?」
Ray; 「レコードプロデューサーだよッ!」
Clemente (to Ray)
" X-Ray "
・ Minnetonka, Minessota
・ 少女が引用した聖書の一節
Jeremiah(エレミヤ書)1:5
"Before I formed thee in the belly I knew thee; and before thou camest forth out of the womb I sanctified thee, and I ordained thee a prophet unto the nations" (KJV)
・ ルカが引用した一節
Genesis(創世記) 2:7
"And the Lord God made man from the dust of the earth, breathing into him the breath of life: and man became a living soul."
(Luka quoted a slightly simplified version of the one above, which comes from the Bible in Basic English)